富山県射水市が利用の殺到で打ち切ったキャッシュレス決済ポイント還元事業で、必要な予算は予定より３億４３００万円多く、最大５億４３００万円に上る見込みとなった。新型コロナウイルス対策の国交付金で補うこととし、市議会３月定例会に補正予算を追加提案する。市側が５日の本会議で明らかにした。
市はスマートフォン決済サービス「ペイペイ」を活用し、約千店を対象に２月１～２８日の予定で事業を開始。還元率３０％、１人当たり期間中３万円相当の付与を上限としたところ、店に客が殺到し、交通渋滞が起きるなどしたため、事業を１０日間で打ち切った。
夏野元志市長は本会議で、受託事業者のＪＴＢ富山支店とペイペイの試算だと、２億円で１カ月間実施できると示されたと説明。決済金額は１９億４千万円、経済波及効果は推計２８億３千万円だったとし「消費喚起や市内店舗のＰＲ、キャッシュレス決済普及に効果があった」と述べた。
代表質問した竹内美津子氏（自民党新政会）は「当局にも詰めの甘さがあったのではないか。社会生活に及ぼす影響は大きく、苦情が多かった」と指摘した。
