へぇ~「そろばんって必要ない」って事だよね

メリットも解るケド、時代に即して無い
とくに富山はってはなし


“そろばん教室数”断トツ日本一は富山県 「江戸時代の寺子屋でも熱心に教えていた」歴史的背景も

2021年10月18日 06:00FNNプライムオンライン

富山県は、人口10万人あたりのそろばん教室の数が日本一だ。そろばん熱が高い背景を取材した。

そろばん教室の数が日本一の富山

総務省経済産業省が調査した統計データから求めた、都道府県別の人口10万人あたりのそろばん教室の数は、富山県が20.1で全国1位だった。

2位の石川県を大きく突き放し、全国平均の約4倍と断トツだ。
富山県で、そろばん教室が多いのはなぜなのか? 創業43年の老舗そろばん教室で、その理由を探った。

魚津市の老舗そろばん教室。日々、そろばんでの計算に明け暮れる子どもたちに、その魅力を聞いた。

小学生:
計算で高得点をとれるのがうれしい

中学生:
目標をどんどん達成していくのが楽しい

中学生:
自分の手で計算するという、自分の力でやった感じが良い

珠算1級満点合格の中学生:
計算機を使うよりも、喜びが大きい

普段、機械に頼ってばかりの記者が、スマートフォンの電卓アプリで計算スピードを競う勝負を挑んだが、足元にも及ばない結果となった。

そろばんは、いつの時代も不滅の計算ツールのようだ。

理由は“県内9割”大手教室の影響?

子どもたちに、なぜ、そろばん教室が多いと思うか聞いたところ、「真面目な人が多いから」「富山県では、そろばんがはやっている」「田舎だから」などの声が聞かれた。

県珠算連盟連合会の会長も務める塾長の瀬戸高則さんは、県内でそろばん教室が多いのは、ある大手教室の影響だという。

瀬戸珠算教室・瀬戸高則塾長:
教室が多いのは、“木谷さん”の影響

噂に聞いた、木谷綜合学園のそろばん教室。
創設から56年がたつこの学園では、統計上の県内のそろばん教室数の9割にあたる、191の教室を運営しているという。

木谷綜合学園 学園ビル教室・木谷千春講師:
教室は、各学校の前という形でそれぞれ開いている。もともと副学園長が、寺子屋みたいな形で教室を始めて、縁があって増やしていったのが木谷綜合学園の始まり

その副学園長を訪ねてやってきたのは、射水市新湊の内川沿いだ。

副学園長の木谷泰子さん(76)が、何やらマニアックな建物に迎え入れてくれた。

ーーここはどういった場所なんですか?

木谷総合学園・木谷泰子副学園長:
昔から私はそろばんやってるので、古いそろばんを集めて展示してある。いろいろ何十年かしてたら、あちこち行って、そこで出会ったそろばんを集めて飾って、みんなに見せようと思って

土地柄や歴史的背景も…

幼い時から父にそろばんを教えられ、今から60年ほど前に、木谷綜合学園の前身であるそろばん教室を地元の新湊(射水市)で始めた泰子さん。

その後、結婚し、夫婦で次々と教室を増やしていったという。

木谷総合学園・木谷泰子副学園長:
内川(射水市新湊を流れる川)が北海道とつながっていて、卸問屋がたくさんあって、みんなそろばんしていた。子どもたちが好きだったから、行ったところでそろばん教室を開いてきた。富山の薬売りはそろばんを持っていたし、富山県だから(数を増やせたと思っている)

木谷綜合学園がそろばん教室の数を増やせたのは、富山という土地がらならではのことなのだろうか。

富山大学の名誉教授で、教育哲学が専門の宗孝文さんは、富山は昔から数字を扱う職業の人が多く、江戸時代の寺子屋などでも、そろばんが熱心に教えられていたという。

富山大学・宗孝文名誉教授:
売薬さんや魚の取引で数字を取り扱うのに熱心な方が多かった。そろばんまで教える寺子屋は、(全国的には)そうなかったが、富山ではたくさんあった

富山大学の宗名誉教授の見解だが、富山でそろばん教室が多いのは、魚の取引や売薬業が盛んで、昔からそろばんに熱心な家庭や寺子屋が多かったところに、木谷綜合学園がそろばんに特化した教室を次々に開設したことが理由だという。

また、九州出身の宗名誉教授は、富山に来て、勉強熱心な人が多いということを非常に感じたようで、これもそろばんが栄えた理由ではないかと話していた。

ちなみに、東京オリンピックに出たバスケットボールの馬場雄大選手や、サッカーの宝田沙織選手も木谷綜合学園のそろばん教室に通っていたということで、競技での集中力は、実はそろばんで養われたものなのかもしれない。

富山テレビ