母親やめるべき?!

他人事だから、おもしろいと同時に、そもそも「議題にあげる」こと自体が「残酷」なようにも、両方思うのよ。

だから、むかしの人はイチイチ取り上げなかった。

 

そもそも、答えれる人が減ったんだと思う。責任を以てね。

 

“母親にならなければよかった”?女性たちの葛藤 6000人アンケート結果

配信 2022年12月14日 10:28更新 2022年12月14日 12:56

ことし春出版された1冊の本『母親になって後悔してる』が反響を呼んでいます。
「子どもは愛している、それでも母親であることを後悔してしまう」という女性たちの思いがまとめられています。

こうした思いを抱える母親はどのくらいいるのか、なぜそう思っているのかを知りたいと、
NHKではアンケートを実施しました。

そこから見えてきたのは・・・?

3人に1人が「母親にならなければよかった」と思ったことがある

「母親にならなければよかった」という思いを抱える母親はどのくらいいるのか、NHKでは先月、全国の10代から70代の母親にインターネットを通じたアンケート調査を実施し、6528人が回答しました。

インターネットによる調査(NHK・2022年11月実施)
全国の18歳から79歳の女性が対象
1次調査:母親6528人が回答 
2次調査:「母親にならなければよかった」と思ったことのある1149人が回答

6528人の母親に、これまでに「『母親にならなければよかった』と思ったことがありますか?」と聞いたところ、64%の人が「1回もない」と回答しました。

一方で「1回だけある」が2%、「何回かある」が23%、「数え切れないほど何回もある」が7%となり、「思ったことがある」という人はあわせて32%、3人に1人という結果になりました。

7割が“子どものことを愛している” 

「母親にならなければよかった」と1回以上思ったことがあると回答した人のうち、1149人に2次調査を実施しました。

「自身の子どもに対して、愛情や大切だという思いを持っているか」と尋ねたところ、「とてもあてはまる」と答えたのは72%、「ややあてはまる」は24%となり、96%の母親が「あてはまる」と回答。「母親にならなければよかった」と思ったことがあるという人の多くが、「子どもには愛情を持っている」ことがわかりました。

母親の後悔という感情と、子どもへの愛情という一見矛盾するような感情が両立していることを示す結果となりました。

母親にならなければよかった理由 「よい母親になれない」が最多

なぜ「母親にならなければよかった」と感じたのか、理由を複数回答で聞きました。

最も多かったのは「自分はよい母親になれないと思う」という回答で42%となりました。次いで「子どもを育てる責任が重いこと」が40%、「子どもとのコミュニケーションがうまくいかないこと」が39%となりました。

アンケートの自由記述欄には、「自分は良い母親になれない」という声がつづられていました。

「自分がいい母親でないと感じるから。ほかのお母さんをみているとすごいなと感心する」(30代)

「自分の思ういいお母さんにはなれなかった。もっと自分がしっかりしていたらとか考えてしまう。子どもがかわいそうだと思う事がしばしばある」(50代)

「自分は子育てに向いていない」という声もありました。

「家事も思うように進まない。子どもを連れてスーパーで買い物することもままならない。母親に向いてないのかと感じた」(30代)

「子どものわがまま等に怒ってしまったりした時に、子育てに向いていないのかなと思った」(20代)

「母親らしい細やかな対応が苦手な性格なので、向いてないのではと思うことがある」(60代)

「自分らしい生き方ができなくなった」という声もありました。

「『~ちゃんのママ』と言われるようになり、名前で呼ばれることすらなくなって自分のアイデンティティーが完全に失われた気分になった」(30代)

「常に自分を後回しにしなくてはならない。自分自身の学びや成長は考えられない」(60代)

“口に出せない” その裏に何が

「『母親にならなければよかった』という気持ちを誰かに伝えたことがあるか」と聞くと、56%が「いいえ」と回答しました。

「伝えなかった理由」を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「口に出してはいけないことだと思ったから」の55%でした。

次いで「母親になることを決めたのは自分だから」の35%、「子どもへの影響を心配したから」の24%となりました。

何を変える必要があるか? 「自分自身」が6割

「母親になったことを後悔しないようになるためには、誰が変わる、または何を変える必要があるか」尋ねたところ、最も多い回答は「自分自身」で61%という結果になりました。

次いで「子どもの父親・パートナー」が56%、「社会の価値観・意識」は46%でした。

自由記述欄には、社会や周囲が変わってほしいという意見も記されていました。

「子は宝だとみんな言うが、なにも支援されている気がしない。子育てするには大変すぎる。意見を言えば、考えずに勝手に産んだんだろうと非難され、ヘルプを出せない親が多いと思う」(30代)

「子育てしている時、とても苦しい時があった。毎日いつまで続くのかと悲しかった。子育て世帯の相談、支援機関があれば救われたかもしれない」(60代)

「社会が変わらないといつまでたっても子育ては母親だけに負担がかかる。父親が育児参加するための育休制度ももっと普通に使えるようになってほしい」(50代)

「当たり前に親、社会が子育てにかかわる。イクメンと言う言葉が無くなるような世の中になってほしい」(50代)

「一人一人がもっと余裕を持って生きられる社会になる事で、思いやりの心が持てるようになり、子育て中の人にも手を差し伸べられるようになると思う」(60代)

こうした結果について、家族社会学が専門で母親に関する研究をしている大阪大学の元橋利恵 招へい研究員は、「母親にならなければ良かった」と思ったことのある母親たちが、その感情を自分の責任と捉える傾向があることについて以下のように指摘しています。

大阪大学大学院人間科学研究科 招へい研究員 元橋利恵さん
「『母親にならなければよかったという感情を誰にも伝えなかったのはなぜか』という問いに、“決めたのは自分だから”を選ぶ傾向が強かったことは印象的だった。“母親にならなければよかった”という感情は、世間からは責任の放棄ではないかと受け止められる傾向があるが、アンケート結果からはむしろその逆の傾向がみられる。母親たちが子育てを自分の責任として強く受けとめ、“良い母親として責任を果たしきれていない”と葛藤している様子がうかがえる」

「若い世代にとっては特に、社会を民主的なプロセスで変えていくことへの実感が持ちにくい一方で、『自己責任』として問題を自分に引きつけて捉えて処理することがリアリティーを持ちやすい。今の社会では子どもを産むことが自己責任化していて、“自分で選んだのだからなんとかするべき”、“周りに迷惑をかけないでほしい”といった声に直面し、その結果、母親としてのしんどさや困っている状況があっても、“言ってもしかたない”と思うようになってしまうのではないか」

「自分の人生を生きられていない」が7割

母親が仕事でのキャリアを含む「望む生き方をできていると思うのか」についても聞きました。

「母親になったことで“自分の人生を生きられていない”と感じますか」と聞いたところ、「まったく感じない」が21%だった一方、「たまに感じる」が34%、「時々感じる」が25%、「よく感じるが」11%で、「自分の人生を生きられていない」と感じる人はあわせて7割にのぼりました。

「キャリアに影響」が4割 一方 母親からみた父親は…

「母親になってキャリアに影響があったか」聞いてみたところ、「マイナスの影響があった」は19%、「希望のキャリアを断念した」は18%で、あわせて37%でした。

母親に対して「子どもの父親のキャリアに影響はあったと思うか」と聞いたところ、「マイナスの影響があった」、「希望のキャリアを断念した」は8%でした。

自由記述欄には、キャリアと育児との狭間で悩む声も多く寄せられました。

「もっと思いっきり仕事ができた。夫に負けないくらい稼ぐことができた」(40代)

「子どもに熱が出たら仕事を休まないといけない。職場に迷惑がかかると追い込まれた」(30代)

「子どもが生まれてから職場での査定がマイナスになったり、昇給がなくなった。子持ちはいらないと間接的に言われているみたいで、結局退職した」(50代)

一方、「父親(夫やパートナー)は、子どもを持つ前と変わっていない」という声や、「母親と父親に対して社会が求めるものが違う」という声もありました。

「思い通りにいかない。父親は相変わらず自由にやっているのに私だけやりたいことができないと感じている」(30代)

「仕事は限られ、風邪を引いたら必ず母親が休む流れになったり、常に母親だけが負担をしなければいけない風潮がある」(30代)

「第1連絡先を配偶者にしていても、保育園・幼稚園・学校からの連絡は母親に入り、大事な仕事の最中でも呼び出しがあり、周りに迷惑をかける」(50代)

大阪大学大学院人間科学研究科 招へい研究員 元橋利恵さん
「女性が経済的に自立していなければいけないという規範が強くなっているなかで、仕事を続けて生活を支えることと、子どもや家庭を大切にすることとのあいだで、母親が常に引き裂かれながら、調整をして折り合いをつけなければならない社会状況がある。父親が仕事と家庭の調整をするということはあまり進んでいない一方で、母親たちが仕事と家庭の調整をすることが一般的になっている。自分のキャリアと子どもと家庭をどう守り、どこで諦めるのかを考え続けなければならず、それが母親の役割や責任になっている」

「子どもを産み育てるなかで生まれる母親たちの問題は、母親自身だけが対処すべきものではなく、実際は社会や企業が追うべきものであるということを理解することが非常に大切だ。社会は育児などのケアを担う人が置かれている厳しい状況に無関心で、これまで母親に『タダ乗り』して責任を放り投げていたともいえるのではないか。『母親にならなければよかった』と話す人たちの声を文句やわがままと捉えるのではなく、子育ての責任を現に負っている人からの社会に対する重要な問題提起だと受けとめることがまずは必要だ」

国際NGOSAVE THE CHILDREN」の「おやこのミカタ」に母親の相談窓口がまとまっています。
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